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トップ > 特集 「欲しがらない若者たち」に「欲しがらせる」方法―ミレニアル世代のハートをつかめ! > P1
1980年代から2000年代初頭に生まれ、現在10代後半から30代となっている「ミレニアル世代」。
物質的に満たされていて「モノを欲しがらない」といわれるこの世代に対し、「モノを売る側」はどうアプローチしていけばいいのだろうか。
当事者たちの言葉や成功事例に学びながら、ミレニアル世代のハートをつかむ方法を探る!
ミレニアル世代の当事者たちは何を大切にし、何を欲し、どう生きたいと考えているのだろうか。
若者研究の第一人者である博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーの原田曜平さんのファシリテーションのもと、ミレニアル世代の若者たちのリアルな声を聞いた。
原田
「ミレニアル世代」は米国発の言葉で、「80年代から2000年代に生まれた人たち」と、幅広く定義されていますが、ざっくり、今日出席してくれている皆さんを含む若者世代くらいに捉えておけばよいと思います。
僕がリーダーを務めている若者研究所でも、この世代を対象にした調査を海外で定期的に行っています。去年はドイツ、イタリア、フランス、今年は北欧でも調査をしました。その結果を見ると、特に顕著な共通項は、「自分たちは親世代よりも豊かになれない」と考えている若者が多いという点です。経済的に豊かになって成熟したヨーロッパ各国では、特にその傾向が強いようです。
では日本のミレニアル世代はどうなのか。まず、コミュニケーション手段について聞いていきたいと思います。
神谷
主なツールはLINEです。周囲でも、メールはほとんど使わず連絡はLINEで、という人が多いです。
山本
ほかは、インスタグラムとTwitterのSNSですね。Facebookは、見るけどあまり更新はしないという人が増えているように思います。
原田
SNSに投稿することの面白さは何でしょう。
牧
私は、友達が投稿に反応してくれて、「あの人も私が好きなものが好きだったんだ」ということが分かるのがうれしいです。そうやって自分の趣味を共有できて、理解し合える仲間が増えていくことが、SNSの一番の面白さだと思います。
中村
SNSは、他の人の興味を探る場でもあるし、自分の興味があることを伝えて、自身のトータルなセンスや魅力のようなものを発信していく場でもあると考えています。アップする写真の撮り方とか画像のクオリティーにこだわっている人が多いのは、SNS上で自己表現をしたい人が多いからだと思うんです。写真やコメントがあまり評価されなかったときは、後で内容を変えることで、自分のキャラをリセットする人も多いですね。
神谷
趣味が共通している人と情報を共有することが楽しいです。「いいね!」稼ぎをしたいとはあまり思わないかな。
山本
僕は、自分が興味のあることに共感してほしいと思うので、「いいね!」と言ってもらえるのは素直にうれしいです。最近だとビーチディスコとか、壁アートとか気になっています。そういった興味関心があることを伝えて、「そんなことも知っているんだ」と言ってもらえるのも楽しいです。