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「欲しがらない若者たち」に「欲しがらせる」方法―ミレニアル世代のハートをつかめ!

1980年代から2000年代初頭に生まれ、現在10代後半から30代となっている「ミレニアル世代」。
物質的に満たされていて「モノを欲しがらない」といわれるこの世代に対し、「モノを売る側」はどうアプローチしていけばいいのだろうか。
当事者たちの言葉や成功事例に学びながら、ミレニアル世代のハートをつかむ方法を探る!

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  • 2017.09.01

「欲しがらない若者たち」に「欲しがらせる」方法―
ミレニアル世代のハートをつかめ!

ミレニアル世代座談会 成熟時代を生きる若者たちの価値観と消費行動に迫る!

ミレニアル世代の当事者たちは何を大切にし、何を欲し、どう生きたいと考えているのだろうか。
若者研究の第一人者である博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーの原田曜平さんのファシリテーションのもと、ミレニアル世代の若者たちのリアルな声を聞いた。

「未来への不安」という共通感覚

原田

最後に仕事についての意見も聞かせください。みんなはまだ働いていないけれど、これからどんなふうに働きたいと思っていますか?

神谷

同世代の人たちを見ていると、「将来どうなるか分からない」「今ある仕事がずっとあるとは限らない」といわれ続けてきたので、働くことに関する不安があるし、「今頑張っても、将来見返りがあるとは限らない」とみんな感じていると思います。「あんまり頑張っても仕方がない」というのが、多くの人の本音ではないでしょうか。でも個人的には、仕事には一生懸命でありたいと思っています。頑張らない人が増えると、どんどん国が衰退していっちゃいますよね。

山本

この先どうなるか分からないということはありますが、たとえそうでも、その中で長く続いていく仕事は何かな、と考える視点も大事だと思っています。僕はわりとバリバリ働きたいタイプで、興味があることがそのまま仕事になるのが理想だと思っています。

興味があることが仕事になったらいいと私も思います。でも、そういう仕事に就ける人は本当に少ないんじゃないかとも思います。なので、趣味のために働くというのが一番現実的なのかな、と感じています。

中村

仕事と興味があることは一致しない場合が多い、と僕も思います。やはり人生のベースになるのは仕事だと思うんです。未来に対する不安があるなら、なおさらしっかり働かなくてはならない。それがあった上で、自分の人生を豊かにするものとして趣味がある。そんなふうに思っています。

原田

ミレニアル世代は、低成長の時代に入ってからの日本しか知らないので、「一生懸命働くことで幸せになる」という価値観はほとんど持ってないですよね。そのような若者を上の世代は物足りなく感じたりもしますが、一方で「今の若者の方が物事を分かっている」という意見を耳にすることもあります。「会社や仕事が全て」という価値観で戦後の日本は歩んできたけれど、結果、自殺率がすごく高い国になってしまった。だから、むしろこれまでの時代の方がおかしかったんだ、と。昭和、平成という時代を学習した上で、よりハッピーに生きようとしているのが、ミレニアル世代なのではないか、と私は考えます。

だからといって、「現状を維持できればいい」とだけ考えていると、結局どんどん右肩下がりになっていってしまうのも事実です。ミレニアル世代には部分的に共感しつつ、上の世代の危惧も的外れではない。それが、間に挟まれた世代の僕の率直な感想です。

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