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トップ > 特集 「欲しがらない若者たち」に「欲しがらせる」方法―ミレニアル世代のハートをつかめ! > P2
1980年代から2000年代初頭に生まれ、現在10代後半から30代となっている「ミレニアル世代」。
物質的に満たされていて「モノを欲しがらない」といわれるこの世代に対し、「モノを売る側」はどうアプローチしていけばいいのだろうか。
当事者たちの言葉や成功事例に学びながら、ミレニアル世代のハートをつかむ方法を探る!
ミレニアル世代の当事者たちは何を大切にし、何を欲し、どう生きたいと考えているのだろうか。
若者研究の第一人者である博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーの原田曜平さんのファシリテーションのもと、ミレニアル世代の若者たちのリアルな声を聞いた。
原田
消費の傾向についても聞いていきたいと思います。モノを買わない、消費に消極的といわれている若者世代ですが、最近買った一番高いものは何でしょう。
山本
ボーズのポータブルスピーカーです。2万5000円くらいしました。ダンスをやっているので、その練習の時に使ったり、バーベキューの時にこれで音楽を流して、仲間と盛り上がったりしたいと思って買いました。
中村
僕は2万円くらいのナイキのスニーカーです。あとは、友達へのプレゼントに買ったダニエル・ウェリントンの時計ですね。これは2万5000円くらいしました。
原田
友達へのプレゼントにそんなにお金をかけるの?
中村
はい、友達からも同じくらい高いものをもらったりします。
牧
私は、アップルのMacBookと、6万円くらいするコーチのバッグです。一つのジャンルで一つだけはいいブランドのものを持ちたいと思っているんです。
神谷
モノではないですが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の年間パスポートは2万2000円くらいしたので、大きな買い物でしたね。でも、3回行ったら元が取れるんです。
原田
意外に高額なものでも買っているね。では、学生のお小遣いから少し金額を大きくしてみて、例えば30万円あったら何に使う?
山本
映像を作るのが好きなので、アドビライセンスですね。あとは、キヤノンの一眼レフカメラの上位機種が欲しいです(笑)。
中村
僕は旅行に行きたいですね。出費をあまり気にしない、ちょっとだけぜいたくな旅がしてみたいです。
神谷
VRのデバイスや、Nintendo Switch™はみんなで楽しめそうなので欲しいです。あとは、四国で美術館巡りをして写真を撮りたいですね。
原田
美術館なら他の場所でも写真は撮れるんじゃない?
神谷
四国には写真映えするおしゃれなアート作品とかがあって、SNSでもたくさん見るので行ってみたいと思います。
牧
私はドライブが好きなので、レンタカーを借りてあちこち旅行に行きたいです。もし100万円あったら、安い車を買います(笑)。
原田
モノを買うのではなく、何かをするためにお金をかけたいという傾向は、「コト消費」にお金を使うといわれる、この世代ならではですかね。外に出ることが多いように感じるけど、買い物はどうでしょう。店で買うのと、ネットショッピングとどちらが多い?
牧
私はオンラインではほとんど買いません。検索すると、いろいろな商品が出てきて、どれを選んでいいか分からなくなってしまうからです。決められないし、時間もかかるので、実店舗の限られた空間で選ぶ方が楽ですね。
中村
僕は、まずはネットで調べて、家具とか持ち運びに手間がかかりそうなものはネットでそのまま買ってしまいます。洋服とか、実際に手に取ったり試着したりしたいものは、ネットで調べてから実店舗で買うことが多いですね。逆に、家電などは、店舗でチェックしてからネットで買うこともあります。店舗だと、店員さんとの会話がちょっと面倒ですよね。
山本
僕も店員さんのおすすめが苦手なんです。結局、その店員さんの主観的な意見じゃないですか。ネットだったら、口コミがたくさんあるので、いろいろな意見を参考にできますよね。だから、今はネットでの買い物の方が多いです。
神谷
私も7対3くらいの割合でネットが多いですね。服や靴は店で買いますが、本、CDはほぼ100%ネットで、高速バスのチケットなども、比較サイトで調べて安いものを買います。