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「欲しがらない若者たち」に「欲しがらせる」方法―ミレニアル世代のハートをつかめ!

1980年代から2000年代初頭に生まれ、現在10代後半から30代となっている「ミレニアル世代」。
物質的に満たされていて「モノを欲しがらない」といわれるこの世代に対し、「モノを売る側」はどうアプローチしていけばいいのだろうか。
当事者たちの言葉や成功事例に学びながら、ミレニアル世代のハートをつかむ方法を探る!

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  • 2017.09.01

「欲しがらない若者たち」に「欲しがらせる」方法―
ミレニアル世代のハートをつかめ!

ミレニアル世代座談会 成熟時代を生きる若者たちの価値観と消費行動に迫る!

ミレニアル世代の当事者たちは何を大切にし、何を欲し、どう生きたいと考えているのだろうか。
若者研究の第一人者である博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーの原田曜平さんのファシリテーションのもと、ミレニアル世代の若者たちのリアルな声を聞いた。

「未来」よりも「今」が大切

写真:砂浜カフェ 写真:砂浜カフェ 羽アート 砂浜カフェ。店内には砂が敷き詰められていて、街中でハワイの海辺のような感覚が味わえると大人気。カフェ店内にある海外アーティストが作成した羽アート。中央に立って写真を撮ると、天使のように見える(写真提供:砂浜カフェ アリービーチ)

原田

では、今使っているお金の使い道で、もっとうまくお金を使いたいなと思うことはある?

中村

食事ですね。僕は地方出身で、生活費は全部自分で賄(まかな)っているので、つい食費を抑えてしまいます。たまにでいいので、いいものを食べたいですね。ホテルビュッフェで、とか。

私は逆に、飲食にお金をかけてしまっているので、それを抑えて洋服などに使いたいです。おしゃれなカフェにちょっと行くと、それだけで1500円くらいかかってしまうじゃないですか。さらにその後食事もしたら、5000円を超える出費になることもあります。

山本

僕も飲み会の出費が多いので、手元に残るものにお金を使いたいですね。

神谷

私は音楽が好きなので、食費をもっと削ってライブに行きたいと思っています。食事は大人になってからでもいいものを食べられるけど、ライブは時間に余裕のある、学生のうちしか行けないと思うからです。

原田

本当、日本の若者はカフェにお金を使うよね。たぶん世界一だと思いますよ。

山本

僕はカフェにはあまり行きませんが、女の子は「付き合いだから断れない」という感じですよね。はたから見ていて「そんな行く?」って思います(笑)。

友達と話すときは、だいたいカフェに入っちゃいますね。それで、かわいいドリンクとか、パンケーキとかは必ず写真に撮ってSNSにアップします。

原田

飲食というよりも、交際費にお金を使っているということでしょうね。そこを抑えることが課題だと。でも、交友関係も大事ということだよね。では、今一番大事にしているものって何でしょう。

山本

友達、ですね。仲間との関係を大切にすることに重きを置いています。

神谷

私は、「自分の経験」だと思います。誰かのためじゃなくて、自分が何を学べるかとか、何が得られるかとか、そういうことを大切にしています。それから、周囲の人を見ていると、「今」を大事にしていると感じますね。「今楽しまないと、もう楽しめないんじゃないか」と思っている人が多いように思います。

それはすごく納得できます。自分自身、「今何をやりたいか」をいつも大切にしています。「今日暑いよね」「海に行きたくない?」「行こう!」みたいな(笑)。

原田

「未来よりも今」というのは、現実的といえるのかな。未来への希望はどうでしょう?

中村

僕は、今を楽しみたい、ということもあるけれど、一方で将来への希望より、不安な気持ちが強くて、それを軽減できるような生き方をしたいと考えています。同じような感覚を持っている友達は多いですね。

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