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トップ > 特集 「欲しがらない若者たち」に「欲しがらせる」方法―ミレニアル世代のハートをつかめ! > P3
1980年代から2000年代初頭に生まれ、現在10代後半から30代となっている「ミレニアル世代」。
物質的に満たされていて「モノを欲しがらない」といわれるこの世代に対し、「モノを売る側」はどうアプローチしていけばいいのだろうか。
当事者たちの言葉や成功事例に学びながら、ミレニアル世代のハートをつかむ方法を探る!
ミレニアル世代の当事者たちは何を大切にし、何を欲し、どう生きたいと考えているのだろうか。
若者研究の第一人者である博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーの原田曜平さんのファシリテーションのもと、ミレニアル世代の若者たちのリアルな声を聞いた。
原田
では、今使っているお金の使い道で、もっとうまくお金を使いたいなと思うことはある?
中村
食事ですね。僕は地方出身で、生活費は全部自分で賄(まかな)っているので、つい食費を抑えてしまいます。たまにでいいので、いいものを食べたいですね。ホテルビュッフェで、とか。
牧
私は逆に、飲食にお金をかけてしまっているので、それを抑えて洋服などに使いたいです。おしゃれなカフェにちょっと行くと、それだけで1500円くらいかかってしまうじゃないですか。さらにその後食事もしたら、5000円を超える出費になることもあります。
山本
僕も飲み会の出費が多いので、手元に残るものにお金を使いたいですね。
神谷
私は音楽が好きなので、食費をもっと削ってライブに行きたいと思っています。食事は大人になってからでもいいものを食べられるけど、ライブは時間に余裕のある、学生のうちしか行けないと思うからです。
原田
本当、日本の若者はカフェにお金を使うよね。たぶん世界一だと思いますよ。
山本
僕はカフェにはあまり行きませんが、女の子は「付き合いだから断れない」という感じですよね。はたから見ていて「そんな行く?」って思います(笑)。
牧
友達と話すときは、だいたいカフェに入っちゃいますね。それで、かわいいドリンクとか、パンケーキとかは必ず写真に撮ってSNSにアップします。
原田
飲食というよりも、交際費にお金を使っているということでしょうね。そこを抑えることが課題だと。でも、交友関係も大事ということだよね。では、今一番大事にしているものって何でしょう。
山本
友達、ですね。仲間との関係を大切にすることに重きを置いています。
神谷
私は、「自分の経験」だと思います。誰かのためじゃなくて、自分が何を学べるかとか、何が得られるかとか、そういうことを大切にしています。それから、周囲の人を見ていると、「今」を大事にしていると感じますね。「今楽しまないと、もう楽しめないんじゃないか」と思っている人が多いように思います。
牧
それはすごく納得できます。自分自身、「今何をやりたいか」をいつも大切にしています。「今日暑いよね」「海に行きたくない?」「行こう!」みたいな(笑)。
原田
「未来よりも今」というのは、現実的といえるのかな。未来への希望はどうでしょう?
中村
僕は、今を楽しみたい、ということもあるけれど、一方で将来への希望より、不安な気持ちが強くて、それを軽減できるような生き方をしたいと考えています。同じような感覚を持っている友達は多いですね。