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「回転率向上」と「おいしいの発見」を助ける「トレタnow」 「回転率向上」と「おいしいの発見」を助ける「トレタnow」

「今すぐ予約できる席」を一覧でき、最短10分後という直近のオンライン予約を行い、お店まで誘導してくれるサービスがある。飲食店向け予約・顧客台帳サービスのトレタが運営する「トレタnow(ナウ)」だ。

今年(2019年)の3月18日から渋谷、恵比寿、六本木、五反田に限り、試験的にサービスを開始したが、9月時点で渋谷・恵比寿・六本木・五反田・日本橋・東京・銀座・新橋・浜松町・芝公園・田町・初台・西新宿・歌舞伎町・新宿・新宿三丁目・千駄ヶ谷にまでエリアを拡大、さらに9月20日からは、江戸川橋・神楽坂・牛込神楽坂・飯田橋エリアでのサービスも開始した。

このサービス、実際に使ってみると飲食店側にとっても利用者側にとっても極めて「おいしい」、まさにスマートフォン時代ならではのグルメサービスだった。

「超直前予約」 
消費者側の視点

トレタnow 画面

打ち合わせが長引いた夜8時。ふとトレタnowの存在を思いだし、近くにある店舗を検索してみた。最短10分、最長1時間先までの予約が可能だ。希望する時間と人数(2名)を入力すると、自分がいる位置からの距離順リスト、あるいは地図上で予約可能な店舗を確認できた。

すると、以前から気になっていた……しかし当日あるいは前日予約では入りにくい話題の店もリストに上がってくる。なるほど、18時ぐらいから入っているお客さんは、20時半には退席していることもあるのだろう。

試しに予約時刻を20時45分にずらして検索すると、さらに多くのお店が表示された。

運営会社は、トレタnowを急な会食や二次会で使ってもらえると訴求しているが、開始時間を遅らせることで、人気店を当日予約で訪問できるというメリットもある。これはなかなか便利だ。

サービス開始当初は「自分がいる位置から徒歩10分以内のお店」のみが検索対象だったが、電車やタクシーで近くの街まで移動するケースも考慮し、サービス提供エリア外にいる場合でもこれから移動する先の街にある飲食店を検索し、予約が行えるよう9月2日にアップデートされた。

予約が終わればあとは自動的にルート探索が行われ、お店までスマートフォンが案内してくれる。

トレタnow 画面

「超直前予約」 
飲食店の視点

トレタnow 画面

スタート時間や提供時間が限定されている業態でなければ、1回転目の顧客が店舗を出る時間はなかなか予想できない。忙しい大衆店では、繁忙期にテーブルを確保できる時間を制限することもあるが、多くの場合、2回転目の時間は読めない。

とりわけ、1回転目が満卓になることの多い人気店は、顧客の側が「直前では席がない」あるいは「ふらりと立ち寄れない」と諦めがちで、空席ができたときに告知する手段もなかった。

しかし、iPadアプリで予約台帳の管理を行なうトレタを使っていれば、会計を済ませて席を開放すれば、特別な操作を行うことなく即座にトレタnowで検索が可能になる。これにより、これまでとオペレーションを変えることなく、顧客に「現在の空席」を共有可能になるわけだ。

サービス初期から参加している70席ほどのレストランでは、過去半年で150席以上の超直前予約による来客があったという。当初は実験的で、ユーザー数も限定されていたことを考えれば、決して少ない数字ではない。

トレタnow 画面

「超直前予約」から「当日予約」
にサービス拡大を計画

トレタnowが、こうした直前予約を受けられる理由は、予約と顧客の台帳を一元管理するサービスを提供しているからだ。紙の予約台帳を廃し、すべての予約情報をオンラインで管理しているのはもちろん、席の配置までを含めた管理も可能であるため「現在空いているテーブルがどこなのか」まで、システム側で判別できる。

他にはない超直前予約が可能なのは、このような予約台帳の完全なオンライン管理がもたらしている。

トレタによると、これまでに予約台帳をオンライン管理してきた運用データから、多くの顧客は前日までに予約を入れず、当日予約、あるいは予約なしで来店することがわかっているという。つまり「いつも予約でいっぱい」という繁盛店は、全体の半分を占める「直前予約客」を逃していることになるわけだ。

そこでトレタでは、「超直前予約」のみだったトレタnowを、当日予約可能なシステムへとグレードアップする計画だという。現在は夕方4時以降のみ、最長でも1時間先までの予約しか行えないトレタnowだが、当日ならばいつでも予約を可能にする。

トレタの中村仁社長は「『当日なんとかお店を確保する人』たちのためのソリューションとして育てていく」と意気込みを語っている。

いち消費者として、トレタnowの提供地域拡大に期待したい。

【2019年9月作成】
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